先天性心疾患の大学生活|片道3時間の通学で単位を落とした実録と教訓

先天性心疾患の記録

「病気があるからといって、夢を諦めたくない」 そう願って進学した大学生活。しかし、先天性心疾患(ファロー四徴症)を抱えた私にとって、現実は理想よりもずっと過酷なものでした。

中学校の英語教諭を目指し、片道3時間の通学に挑んだ私の失敗と、そこから得た「病気と共に生きるための進路選択」の教訓を綴ります。

「普通」への執着が招いた、片道3時間通学という暴挙

大学生になった私は、自分の病気をどこか置き去りにしたまま、健常な学生と同じ、あるいはそれ以上のスケジュールを詰め込みました。

  • 朝から夕方までびっしり詰まった授業(教育学部×英文科)
  • 片道3時間、往復6時間の長距離移動
  • 夜遅くまでのサークル活動

「自分ならできる」という根拠のない自信は、すぐに崩れ去りました。1限に間に合わせるための早起きは、心臓に過度な負担をかけ、やがて授業を欠席し、単位を落とす事態に。 「教採には受かったのに、単位不足で教壇に立てない」 このトラウマからくる悪夢を、40代になった今でも見ることがあります。これは、当時の私が「体の悲鳴」を無視し続けた結果の、脳からの警告だったのです。

予期せぬ進路変更:心臓病の私が「小学校教諭」を目指した理由

大学2年の春、学生課の職員からの一言が私の運命を変えました。 「教壇に立ちたいなら、小学校免許も取った方がいい」

当時の私にとって、これは衝撃でした。

  • 小さい子との関わり方が分からない
  • 運動制限があるのに、体育を教えられるのか?
  • 激務と言われる小学校で、私の心臓は持つのか?

しかし、せっかくここまで積み上げてきた教員への道。私は「体力的に無理だったら、そのときやめればいい」という、ある種の**「逃げ道」**を用意することで、小学校免許の取得手続きを行いました。

【教訓】病気と共に夢を追う学生へ。今伝えたい3つの「線引き」

かつての私のように、限界を超えて頑張りすぎてしまうあなたへ、43歳の私から伝えたいアドバイスがあります。

  1. 「移動距離」は心臓へのコスト: 通学時間は単なる移動ではなく、あなたの貴重な「体力(心臓の予備能)」を削る作業です。可能であれば一人暮らしや学生寮、あるいは通信教育という選択肢を、プライドを捨てて検討してください。
  2. 「逃げ道」を戦略的に作る: 「無理ならやめてもいい」という選択肢は、甘えではなく「生存戦略」です。予備の免許を取る、柔軟な働き方がある職種を視野に入れるなど、Aプランがダメだった時のBプランを常に持っておくことが、心の平穏に繋がります。
  3. 周りの助けを「スキル」として使う: 私は友達に泊めてもらうなど、周囲の助けでなんとか卒業できました。一人で完結させようとせず、周囲に甘え、感謝を伝えることも、病気を抱えて社会で生きるための必須スキルです。

こちらの記事も読んでみてください。↓