転勤がこんなにも過酷だとは思わなかった。
43歳。
まだ勢いでいけると思っていた自分は、
完全に見積もりが甘かった。
私は先天性心疾患があり、慢性心不全を抱えている。
体力的には「やりたいことの半分できればいい」くらいの状態で生きている。
そんな私にとって、朝30分早く家を出るというだけのことが、
想像の何倍もきつい。
前の職場には不満もあった。
でも今ならわかる。
あそこは、私にとって“無理しなくても回る場所”だった。
今は違う。
気を張って、無理して、
なんとか1日を終える。
帰り道、
「あと何回この道を通れば慣れるんだろう」と考える。
正直、先が見えない。
——そんな中で、体に異変が出た。
とにかくトイレが近い。
授業中も、頭のどこかでずっと考えている。
「あと何分もつ?」って。
会議中も落ち着かない。
途中で立つのは気まずいし、
でも限界はくる。
車通勤の帰り道、
「ここで行きたくなったらどうしよう」と思い始めると、
もうダメだ。
信号待ちのたびに焦る。
間に合わなかったらどうしよう。
たかがトイレ。
でも、この「たかが」が一日中続く。
これが、思っていた以上にしんどい。
土曜日、やっとの思いで泌尿器科に行った。
膀胱炎かと思っていたけれど、
検査は異常なし。
「過活動膀胱ですね」
と言われた。
夜だけ薬を飲んで
様子を見ることになった。
でも私は昼間、利尿剤を飲んでいる。
出せと言われる体と、
止めろと言われる体。
正直、もうよくわからない。
過活動膀胱は40代女性の約10〜15%。
珍しくはないらしい。
でも、なってみて思う。
「こんなに生活に影響出るの?」って。
転勤して環境が変わって、
無理している自覚はあった。
でも「このくらい大丈夫」と思っていた。
たぶん、大丈夫じゃなかった。
7割でいいって頭ではわかっているのに、
今日もほぼ100%で動いている。
だからこうやって体に出る。
今はまだ、慣れるしかないと思っている。
でも正直に言うと、
「あとどれくらい頑張ればいいのか」はわからない。
とりあえず明日も、
トイレの場所を確認しながら働く。
それが今の私の現実。

