歩いて手術室に入った。
目が覚めたら、夕方だった。
手術前日、私はにこにこしていた
手術は突然じゃなかった。数ヶ月前から主治医と相談して、日程を決めた。
前日も普通に元気だった。「明日大手術」という感じが全くしない。にこにこしながら過ごして、翌朝、自分の足で歩いて手術室に入った。
怖くなかったのか、と聞かれたら、正直そうでもなかった。それよりも次の話の方が怖い。
8時間後、体から管が8本出ていた
朝一番に手術室に入って、次に意識が戻ったのは夕方だった。およそ8時間。
気づいたら、体から管が8本出ていた。
人間、こんなに管をさせるんだ、と感心した。同時にこう思った。
「死にたくても死ねない時代が来たな」
いや、本当に。医療ってすごい。
ICUの3日3晩|私、無敵じゃん
開胸手術だった。
術後の痛みについて、事前にあまり聞いていなかった。だから全く覚悟ができていなかった。
胸が、めちゃくちゃ痛かった。
3日3晩、ずっと激痛が続いた。正直、死ぬかと思った。
でもICUにいたとき、担当の方にこう言われた。
「あなたが受けた手術は、手術の中でも最も辛い手術のひとつ。だからこれ以上辛い手術はないよ」
え、じゃあ。
私、無敵じゃん。笑
その言葉で全部吹き飛んだ。あれ以来、手術が怖くなくなった。本当に。
個室に1ヶ月|迷走神経反射で大騒ぎになった話
最初から「入院は1ヶ月」と言われていた。
望んでいないのに個室に入れてもらえた。途中で大部屋に移動と言われていたが、結局最後まで個室のままだった。
なぜか。
まず、胸腔ドレーンを抜くときに肺に空気が入ってしまった。それから情緒不安定になる時期もあった。
そして極め付けが、迷走神経反射事件だ。
長時間の手術のせいで肩こりがひどくて、リハビリの先生を捕まえて首のあたりをマッサージしてもらっていた。そしたら突然、血圧が急降下して意識を失った。
当時は迷走神経反射とわからない。心臓に何かあったんじゃないかと大騒ぎになった。
結果的に、最後まで無料で個室に滞在させてもらった。笑
費用600万円が、実質3万円になった仕組み
手術の費用は約600万円だった。
でも実際に自分で払ったのは約3万円だ。
これには3つの制度が重なっている。
① 高額療養費制度 一定額以上の医療費は払い戻しになる制度。退院時に一時的に30万円ほど持ち出しがあったが、最終的にほぼ全額戻ってきた。
② 共済組合からの補助 公務員なので共済組合に加入している。高額療養費に加えて、さらに補助が出る。
③ 障害者手帳1級 人工弁を入れた時点で障害者手帳1級になる。これによって入院費がさらに安くなる。
この3つが重なって、600万円が3万円になった。知っているかどうかで、これだけ変わる。
MRIは受けられる
「人工弁を入れたらMRIは受けられないの?」とよく聞かれる。
私は受けられる。何度も受けている。
生体弁だからだ。金属製の機械弁とは違い、生体弁はMRIへの影響が少ない。機械弁の場合は担当医に確認してほしい。
退院後に困ったこと
退院後3ヶ月は運転禁止、重いもの禁止だった。
車がないと移動できない場所に住んでいたので、足に困った。スーパーで買い物しても、荷物が持てない。
一番辛かったのは、子どもを抱っこしてあげられなかったことだ。子育て中だったのに。
今も気をつけていることがある。整骨院で電気をあてる機器は心臓がピクピクするので使わない。電気風呂も同様。利尿剤は欠かせない。
それでも、手術前より元気になった。これは本当によかったと思っている。
4月7日は、第二の誕生日
手術をしたのは4月7日だった。
桜の季節になるたびに思う。あ〜生きていてよかったな、と。
人工弁の手術で、一回死んだ。2歳のときの手術も入れたら、多分2回は死んでいる。
人生3周目。笑
3周目は、悔いなく生きようと思っている。
まとめ
- 入院期間は約1ヶ月
- 手術時間は約8時間の開胸手術
- ICUの3日間が一番辛かった。でも「これ以上辛い手術はない」と言われた
- 費用は約600万円→実質3万円(高額療養費+共済組合補助+障害者手帳)
- 生体弁なのでMRIは受けられる
- 退院後3ヶ月は運転禁止・重いもの禁止
- 手術前より元気になった
怖い手術だった。でも受けてよかった。
同じ手術を前にしている方に、この記事が届いてほしい。
⚠️ この記事は私の体験をもとにしたものです。手術の内容や費用は個人の状態・加入保険によって異なります。詳細は担当医・加入している保険組合にご確認ください。

