人工弁の手術をしてくれた先生に言われた。
「自分の病気を自分で説明できないといけないよ」
震災や緊急時に、自分の病気を説明できないと困る。医師に正確に伝えられないと、適切な処置が受けられない場合がある。
でも正直、なかなか覚えていられない。難しい言葉が多くて、調べてもよくわからない。
だからこの記事を書く。ファロー四徴症の当事者として、自分が理解するために。そして同じ病気の人が、自分の病気を人に説明できるようになるために。
ファロー四徴症とはどんな病気?
生まれつき、心臓の形が普通と違う状態で生まれてくる病気だ。
チアノーゼ(唇や爪が青紫色になる状態)をともなう先天性心疾患の中で、最も多い病気とされている。
名前の由来は、1888年にこの病気を初めて報告したフランス人医師「ファロー」から来ている。「四徴」とは、4つの特徴という意味だ。
4つの特徴をわかりやすく説明する

① 心室中隔欠損(しんしつちゅうかくけっそん)
心臓には4つの部屋がある。そのうち左右の心室(下の2つの部屋)を仕切る壁に、大きな穴があいている状態だ。
本来、右心室には酸素が少ない血液(静脈血)、左心室には酸素が多い血液(動脈血)が流れている。壁に穴があいていると、この2つが混ざってしまう。
酸素が十分に体に届かなくなるため、チアノーゼが起きる。
② 肺動脈狭窄(はいどうみゃくきょうさく)
右心室から肺に血液を送る管(肺動脈)が、生まれつき細い。
肺に送られる血液が少なくなるため、酸素を取り込む量が減ってしまう。
③ 大動脈騎乗(だいどうみゃくきじょう)
全身に血液を送る大動脈は、本来左心室だけにつながっている。
ファロー四徴症では、この大動脈が左右の心室の両方にまたがるようについている。そのため、酸素が少ない血液も大動脈に流れ込んでしまう。
④ 右室肥大(うしつひだい)
肺動脈が細いため、右心室は無理をして血液を送り出そうとする。その結果、右心室の壁が分厚く大きくなってしまう。
心臓の形がいびつになる、ということだ。
どんな症状が出るの?

チアノーゼ
酸素が少ない血液が全身に回るため、唇・爪・顔が青紫色になる。
息切れ・疲れやすさ
十分な酸素が体に届かないため、少し動いただけで息が上がる。体が疲れやすい。
無酸素発作
泣いたり、いきんだりしたときにチアノーゼが急激に悪化することがある。乳幼児に多い。
私自身は、子どもの頃から疲れやすかった。運動をすると息が切れた。でも当時はそれが「普通じゃない」とあまり気づいていなかった。
手術について
治療は基本的に手術が必要だ。
手術をしなければ、十分な酸素が体に届かず、成長に影響が出たり、命に関わることになる。
私は2歳のときに手術を受けた。
生まれてすぐ、両親は医師からこう言われたらしい。
「手術をしなければ、5歳までしか生きられないかもしれない」。
だから2歳で手術を受けることになった。
手術は一回で終わるとは限らない。チアノーゼの程度や体の状態によって、複数回になることもある。
私は2歳の時に根治術を、大人になってから人工弁置換術を受けた。
手術後の生活
根治手術を受けた後も、定期的な検診が必要だ。
心臓は手術で「完治」するわけではない。状態を定期的に確認しながら、長く付き合っていく病気だ。
私がやっていること:
- 年に一回以上の定期検診
- 毎日の薬(利尿剤など)を欠かさない
- 疲れたら無理をしない
- 自分の体の状態を観察する
自分の病気を、自分の言葉で説明できるように
先生に言われた言葉を、今も忘れない。
「自分の病気を自分で説明できないといけない」
震災や緊急時、見知らぬ医師に診てもらうとき。自分の病気を正確に伝えられるかどうかで、受けられる処置が変わる。
この記事を書きながら、私自身も改めて整理できた。
ファロー四徴症の当事者のみなさんも、一度自分の病気を自分の言葉でまとめてみてほしい。
まとめ
- ファロー四徴症は生まれつき心臓の形が違う病気
- 4つの特徴:心室中隔欠損・肺動脈狭窄・大動脈騎乗・右室肥大
- チアノーゼ・息切れ・疲れやすさが主な症状
- 治療には手術が必要
- 手術後も定期検診と薬が必要
- 自分の病気を自分で説明できるようにしておくことが大切
⚠️ この記事は当事者の体験と理解をもとにしたものです。医学的な詳細は担当医にご確認ください。

