人工弁置換術の入院中、食べられなかった日々と、食べられるようになった日のこと

先天性心疾患の記録

手術の翌日、ICUで食事が出た。

胃が痛い。吐きそう。胸は激痛。生きていることが精一杯な状態で、ご飯なんて食べられるわけがなかった。

ほとんど残した。家族が持ってきてくれたリンゴジュースだけ、少しずつ飲んでいた。

そうしたら、ICUの看護師が私の寝ている横で同僚にこう言ったのだ。

「この人、ジュースしか飲まない!」

完全に嫌味だった。なんだこいつ、と思った。笑


手術翌日にご飯が出た

人工弁置換術の手術は8時間に及んだ。

翌日にはICUで食事が運ばれてきた。回復のために早めに口から食べることが大事なのはわかる。でも、そのときの私には無理だった。

胃はむかむかするし、胸の傷は激痛だし、点滴につながれたまま体を起こすだけでも一苦労だった。生きていることが精一杯で、食欲なんてどこかに消えていた。

リンゴジュースだけが、唯一口に入れられるものだった。


一般病棟に戻って、少しずつ食べられるように

ICUを出て、一般病棟に移った。

少しずつ食べられるようにはなってきた。でも活動量も少ないし、お腹が空く感覚がなかった。

転機はリハビリだった。

自転車を漕いだり、廊下を歩く練習をしたりしているうちに、体が動くようになってきた。そうしたら自然とお腹が空いてきた。


全部食べられるようになった日

病院食を全部食べられるようになった日のことを、今でも覚えている。

それまでぼんやりと鬱々としていた気持ちが、少しずつ前向きになってきた。食べられるということが、こんなにも気持ちに影響するんだと驚いた。

ただ、前向きになったからといって、穏やかになったわけでもなかった。

お見舞いに来た夫に腹が立って、物を投げつけたこともある。笑

入院中の感情は、自分でもコントロールが難しかった。


食べることは、回復のサインだった

退院してから気づいたことがある。

食欲が戻ることと、心が戻ることは連動していた。

食べられない日は、気持ちも沈んでいた。食べられるようになった日から、少しずつ「生きていこう」という気持ちが戻ってきた。

今でも体調が悪い日は食欲が落ちる。逆に言えば、食欲があるかどうかが、私の体調のバロメーターになっている。

ICUで陰口を叩いた看護師のことは、今でも覚えている。笑

でも、あの入院があったから、食べることの大切さを心から実感できた。食事が口からとれるということは、当たり前じゃない。


まとめ

口から食べられることが、元気の源だった。

食欲が戻ることと、心が戻ることは連動していた。リハビリで体を動かして、少しずつ食べられるようになって、気持ちも前を向いてきた。

食事が口からとれるということは、当たり前じゃない。入院中にそれを心から実感した。

体調が悪い日は無理しなくていい。でも少しでも食べられるようになってきたら、それは回復のサインだと思っている。

口から食べられること。当たり前じゃないんだなと、あの入院で思い知った。


⚠️ この記事は私の個人的な体験をもとにしたものです。回復の経過は個人によって異なります。


関連記事:人工弁置換術のリアル|入院1ヶ月、8時間手術、費用600万が3万になった話

関連記事:ファロー四徴症 手術後の生活|定期検診・薬・仕事との向き合い方